2014年07月13日

300B PPアンプを作る(第6回)

 2台目も配線を仕上げて、テスターでチェックだけしてステレオでしばらく聴いてたんですが、2台目の方の鳴り方が少しおかしい。低音が今ひとつ出てないんで低音がえらく片側に寄っていて少し気持ちが悪い感じの鳴り方をします。
 どこか間違えてるかな?それとも古いタンゴFW50がやっぱり短絡していてダメなのかも?
ということで2台目はもうめんどくさいんでやらなかった測定をしたんですが、パワーも出てるし周波数帯域もしっかりしている。トランスもしっかり生きているし、別段性能は1台目と変わらないはずなんですが。それでも出音は聴いてて分かるぐらいに違うんですね。
 あとの可能性は、真空管やら他の部品やらが新品なのでまだあたりが出ていないってことぐらいです。FW50もおそらく40年ぶりぐらいの通電でしょうし。
1台目の方は、回路変更やら測定やらで1週間ぐらいは既に稼働しているけど、2台目はさくっと配線して球は新品のまま鳴らしてますから。

KC4B1425.JPG

 という事で、新品球のエージングをしました。といってもやり方は分からないので適当です。
最初10w出力ぐらいで1時間、それで十分温もったら、少しクリップするぐらいまで上げて3時間フルパワーのままにしておきました。安全試験もかねて、、。なぜ3時間かって言うと、1台目が測定と発熱の様子見でそれぐらいフルパワー出したかな?って感じだったからです。フルパワーにすると300Bはグロー放電で真っ青になります。

 どうやら読みは当っていたようで、鳴り方の差は分からないぐらいになりました。箱から出してすぐのまっさらな真空管と、すでに数日稼働して、数時間はフルパワーを出しているものとの音の差だったようです。

 
posted by dico at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 楽器制作関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月11日

300B PPアンプを作る(第5回)

KC4B1415.JPG

 300Bppアンプの5回目です。一応2台とも出来上がって、稼働を始めました。
ロシア製のコピーモデルとはいえ、さすがは直熱三極管っていう音を出してくれています。聞き慣れたレコードでも、長く部屋で鳴らしていた6L6GCppのアンプでは聞こえなかったような音が聞こえてくれます。
『アンプはひとまずここが到達点で十分、これ以上”音質”に深入りする必要はないな』って感じです。どっちにしろこれに飽きても僕のサイフではこれ以上は望めませんから。
 7〜8年前に、友達の廃品回収をやってるD君が突然、『ゴミで真空管アンプがあるんやけど、要らん?』って電話くれて、アマチュアが作った自作のアンプの廃品をもらったんですが、それについていたタンゴのFW50がやっと音を出してくれました。”6L6GC,A級アンプ、1976年製作”と作者のサインがアンプの中にありました。
 その廃品は、回路を間違ったのかバイアスが明らかに浅すぎるのと(6L6に400vかけて,SGを下げずにバイアスは−30vぐらいしかかけれない設計だった。6L6PPはA級固定バイアスなら300vぐらいが限界。5k負荷で+B、SGとも400vならバイアスは−45vぐらいかな?)それとひどい配線とでとても通電するのは恐ろしいような6L6ppのA級アンプだったんですが。
 刺さっていた東芝の6L6は焼け死んでいました。1ヶ月ぐらいは音が出たかもしれませんが。でも設計不良もFW50を焼き切るほどではなかったようです。その1976年にしっかり鳴らしてもらえなかった不遇なタンゴトランスが2014年になってやっと、うちで音楽を鳴らしてくれます。

KC4B1416.JPG

 1台目の製作中に、手持ちのソ連製6SJ7が、これは1993年頃に大阪日本橋で300円ほどで買った中古なんですが、20年ぶりの通電だったせいか自然死してしまったので急遽6SJ7を通販で買いました。運良く1本2000円でRCA製のメタル管が入手出来ました。昔のものでも楽器アンプに使えない球は今でもそんなに高くないですね。

KC4B1408.JPG

 出力管のヒーターを途中で直流点火に変更したんですが、結局交流点火で十分でした。残留雑音0.6mvは初段由来のようで、直流点火の意味はありませんでした。しかもメタル管の6SJ7に差し替えると0.5mvまで下がってくれました。スピーカー(EV PRO8A,能率97db)でもノイズは聞こえない感じです。中の配線はもじゃもじゃで見た目汚いですが。
 あとは、電源トランスのノグチPMC170が、スペック上は170mA取れるはずなんですが、140mAで既に苦しいようで、加熱が激しいので+Bを350vタップから320タップに下げました。

 300Bの動作条件は、+B396v、自己バイアス、カソード抵抗1200Ω、バイアス−67vという感じになりました。購入したエレハモ300Bの4ペアは、WE300Bのデータシートに比べて若干電流が流れにくいようです。パワーは出ないですが多分長持ちしてくれるはずです。電源電圧が変わったので、初段、位相反転段への電源周りの回路も少しいじりました。

KC4B1410.JPG

カソード抵抗の発熱が結構強力なので、カソード抵抗はシャーシの上に出してアルミの放熱版に取り付けました。
 あとは板金屋に頼んでいるパンチングメタルのカバーが上がってきたら完成です。NFBをオフにできるスイッチをつけて音を聴き比べてみようと思っています。
posted by dico at 03:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 楽器制作関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月09日

300B PPアンプを作る(第4回)

KC4B1406.JPG

 300Bppアンプが組み上がってきて、回路の修正と調整をやってます。モノラルx2台なので1台だけ先行して作っています。最終回路はだいぶ最初の設計から変わりました。

300bpp_3.jpg

 最初の設計のままで組んで鳴らしてみたんですが、良い音してました。でも特性を計ってみると、NFB無しで10000Hzからじわじわ下がっていく感じで、高域が伸びていませんでした。
 これは三極管が構造上入力容量が大きいためで、元々高インピーダンスな真空管のグリッド回路に最初からコンデンサーがぶら下がっているようなものですから、6L6とかのような5極管にくらべると低インピーダンス駆動してやらないと高域が切れてしまいます。
この”良く言えば柔らかい音”を何とかするために、古くから諸処の先輩方はパワー管を前段に使ったりカソードフォロワドライブ回路にしたりしていたわけなのですが、でも今更音もじっくり聴かずに作り直しは嫌なので6SN7でやれる事をやってみようとの事で、6SN7の負荷抵抗をめいいっぱいまで小さくして電流を喰わせてみました。これでドライブ段の出力インピーダンスは下げられますがゲインも少なくなります。この回路の場合20kよりも小さくするとパワー管の300Bよりも先に6SN7がクリップしてしまいますので、その辺りで決めました。
 この辺は実機を稼働させて波形を見ながら抵抗をとっかえひっかえでやりました。
 あとは最初の設計では2段目のゲインの計算が間違っていて、ミュラード型回路は入力電圧が2管に直列に分け合う形でかかるので、ゲインを通常の半分で計算しなければいけないのを飛ばしていたために、全体のゲインとNFBの計算が間違ってました。
 この修正は、もう実機があるのでめんどくさいので計算はせずに、NFB回路はアンプのゲインが−6db(半分)になるようにVRを入れて決めました。

KC4B1407.JPG

 ミュラード型位相反転のPPバランスは、逆相側のプレート負荷22k、正相側が19kでだいたいのバランスが取れました。

 各部の電圧は実測値です。最大出力は約16.5w、NFBは約6dB、残留ハム(ノイズ)は入力接地で約0.6mvでした。周波数特性は、オシロで見る限りはNFBをかけて40〜30000Hzぐらいがフラットです。歪み率は計器がないので分かりませんが、波形もきれいですし、その他のデータからするとそんなに悪くない(はずです。)2段目の6SN7が微妙に300Bよりも先にクリップしています。

 でもまあうちで自分用に使うには十二分すぎる音がしていますので、早急に2台目も組み上げてしばらくはこの回路で鳴らしてみる事にします。

KC4B1406.JPG

posted by dico at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

300B PPアンプを作る(第3回)

 設計したアンプのゲイン設定の確認とNFB回路の検討です。

300bkairo2.jpg

300Bはこの回路のような普通の電圧ドライブでは振り切れないという事は物の本には良く書いてあります。製作例や製品の回路は、ドライブ回路にパワー管が使ってあったり、トランスドライブだったりする事が多いです。
 でもウエスタンエレクトリックのWE91Bでは、WE310Aという5極管で出力が結構ハイインピーダンスな普通の電圧ドライブの回路になっていますので、その事はひとまず気にせずに音を聴いてみる事にします。

300bpow.jpg

300Bのロードラインから、最大出力を計算します。
出力は最大振幅電圧x最大電流ですから、ロードラインの下側の三角形の面積ということになります。計算上は17.8wで、これから出力トランスでの損失分が差し引かれます。
NFBの計算のために16Ω端子での最大出力時の電圧も算出しておきます。2球合成での最大振幅電圧を、5KΩ:16Ωトランスの巻線比で割って、交流ですからその1/√2が出力電圧となります。

6sj7gain.jpg
初段6SJ7のゲインは約16倍、これはロードラインを読み取るだけで出ます。プレート振幅電圧をグリッド振幅電圧で割った値がゲインです。実際にはNFB回路分の120Ωがアースへバイパスされない分若干ゲインが落ちます。


6sn7gain.jpg
 2段目6SN7のゲインは約14倍、初段のゲインと掛けて入力の224倍の電圧が片側の300Bのグリッドにかかります。バイアスが-70vですから、これをめいいっぱい振るには入力で波高値0.31v、AC約0.21vとなります。

 NFBはとりあえずは6dbかけて聴いてみます。初段の回路では、NFBの戻し点の120Ωのカソード側は入力と同電位となりますので、ここに入力電圧0.21vの半分、0.105vが逆相で戻れば良い事になります。
16Ω端子からのNFB抵抗の値は、16.8/0.105 x 120/2=9600がおおよその値となり、10KΩとする事にします。上の回路図中の9.1Kは間違いです。

posted by dico at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月10日

300B PPアンプを作る(第2回)

 今日は電源部分の設計もやりました。
その前に、きのう設計した分の300Bのロードラインの引き方が間違っていたので修正しました。

300B_Roadline_2.jpg

 回路的にはそのままでOKなんですが、カソード抵抗1.2k、負荷5kPP,+B400v付近だと、グリッド−20v付近で片側の球がカットオフしますのでAB級動作という事になります。

 電源の設計ですが、これも全く凝らない方針です。電源トランスはノグチトランスのPMC170というもので、このクラスにしては安いです。B電源用巻線が350v−0−350vで、5AR4とチョークを通したあとで400vぐらいは出るかな?と見当をつけて、その辺で設計を進めます。
5AR4data.jpg

 5AR4の規格表だと、AC350v入力なら420vぐらいは出そうですが、それにトランスの巻線とチョークコイルの抵抗分が加わるので、実際は400v付近でしょう。その辺は今のところは適当にしておいても大丈夫です。そこからあとの設計は例によってオームの法則と電卓で全部出来ます。トランスの電流容量が余っているので初段の安定化のためにブリーダー電流を5mAだけ流しておく事にしました。ノグチのトランスは加熱が比較的激しいので容量めいいっぱいに使わないようにしました。

300BPP_SCHEMATIC.jpg

 とりあえず一通りの設計が完了です。これでまず1台仮組してみて、不具合な所を手直ししていきます。
DJミキサーの方は、使った12AX7をギターアンプでさんざんいじり倒してきたおかげで良く知っているので、こんなまじめに設計はやらずに、
見当で組んで音を聴いて、ばらして組み直してまた音を聴いて、、という感じで作ったんですが。
パワーアンプは一応壊れないような設計をしておかないと、見当でやってパーツが焼けてしまったら損害が大きいので、最低限これくらいの設計はしないと使うの怖いです。
posted by dico at 03:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。