2015年11月16日

6B4Gシングルアンプ(1)

 KC4B2447.JPG
 22〜3年ほども前になるんですが、真空管アンプを作り始めて2台目に、RCAの6B4Gという真空管を使って、雑誌の記事のコピーでアンプを作ったことがありました。
 6B4Gというのは2A3の6.3V管で、当時2A3よりも安かったので(確かペアで7000円)それを使って2A3の雑誌の製作記事の回路で作ったのですが、6.3vの直熱管というのはちょっと初心者には手強いもので、ハムノイズを聞こえないぐらいまで押さえるのが難しいのです。
 その真空管がちゃんと鳴らしてやれないままに残っていたので、それをもう一度鳴らしてやろうとおもって20数年ぶりに出して来て、アンプに組んでみました。

KC4B2452.JPG
 6B4Gをドライブする初段管を何かいいのがないかとネット通販を物色していると、79という古そうな見た目が魅力的な真空管が、四国の方のネット真空管屋さんで安く出ていたので、これを使うことにしました。インターネットの時代になって便利になったもので、技術誌を買いためたりデータブックを買いそろえなくても大概の電子部品は型番だけでデータがゲットできます。
 79はB級双三極出力管で、A級用途もデータに出ていて、A級の場合は電圧増幅で6SL7や12AX7と12AT7の間ぐらいな感じ、でもヒーターが12AX7や12AT7の倍の0.6Aも喰うので、ゲインの割にドライブ能力は比較的あると見ました。カソードが2ユニット共通なのでパラレル接続の1段で6B4Gをドライブさせる簡単回路です。

6B4G_schematic.png

 モノアンプ2台なんですが、ステレオに組むよりも楽にノイズを抑えられるからです。音もモノアンプに組んだ方がいい音が出てくれる様な気がします。とりあえずコンデンサーや抵抗は手持ちの安物部品で仮組みして、測定と、聴きながら回路チューニングをこれからする感じです。でも音は既にかなりいい音が鳴ってます。上記の回路で、歪み5%で4w弱ぐらい、残留雑音は0.3mvぐらいです。
 しばらく仮組みで聴いてみて、回路をフィックスできたらちょっと上等なパーツで仕上げようと思っています。

 




posted by dico at 03:13| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月30日

UREI1620の修理4台目(第1回)

KC4B1477.JPG

 新たにUREI1620の面倒を見る事になりました。今回は音楽仲間のギタリストMarronちゃんの仲介で、山口県からの依頼です。

 KC4B1478.JPG

 『フォノ2のチャンネルからハムが出ることと、マイクチャンネルが鳴らない』との事だったんですが、うちに到着してから鳴らしてみると、いろいろと不具合がありました。
 チャンネル2からハムが出るのは、チャンネル2の入力端子がもげて取れかけていたためなのですが、それ以外にも全チャンネルから微かにハムノイズがでています。おそらく電源回路の劣化です。入力端子はほとんど全部がハの字にこじ広げられていてダメです。全部交換です。
 あとはトーンコントロールのベース側の効き方が左右で全然違います。これはTC回路のコンデンサーを調べて、劣化が無かったらオペアンプが疑われます。
 マイクは、マイクアンプカードが1枚だけ刺さっているのですが、マイク入力のコネクターは2個取り付けられていて、片方の配線がありません。”マイクが鳴らない”のはこの事だと思われます。
 その他にもいろいろと修理がされているんですが修理部分のハンダ付けが素人レベルのへたくそです。これは今まで修理して来たUREI3台ともです。まあ繋がってさえいれば支障はないのですが、ハンダ付けが下手では長持ちは期待出来ません。

KC4B1473.JPG

 雑な修理歴があるので、基板のパターンが壊れていないか点検します。ハンダ付けもすべて溶かし直しをしてはんだを盛り直します。30年以上前の古い機材なので、ハンダ付けの劣化やさび、クラックは見えなくてもあるはずなので、これらを退治します。

KC4B1476.JPG

電源部分は、パーツを全交換します。ダイオードは電源トランスをはずさないと交換出来ないので厄介です。コンデンサーは470uFから2200uFに、5倍の容量にアップします。この変更で音が悪くなる事は無いと思いますし、120v用の機材を100vで使う場合の不具合(3端子レギュレーターへの電圧マージンの不足)を少しだけ解消出来るはずです。

KC4B1474.JPG

 あとは、マイクアンプ、トーンコントロールの点検修理、各部の劣化電解コンデンサーを交換して、入出力端子を交換して完成です。
 
ラベル:DJ MIXER UREI 1620
posted by dico at 02:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

300B PPアンプを作る(最終回)

 300Bppアンプ、ようやく完成しました。

KC4B1443.jpg

 前回よりの修正点は、先日仮組みして試聴している時に、入力のボリュームを最大にした時にすっと音がきれいになったような(気がした?)ので、入力の安物のボリュームを排してスイッチ式のアッテネーターに変更しました。
 あとは、アースとB電源の配線取り回しをいろいろといじってハムノイズの追い込みをやりました。結果、残留のノイズはNFB無しで0.5mV、NFBをかけて0.3mVまで減らす事ができ、十分低雑音なアンプにする事が出来ました。無信号時はスピーカーに耳を近づけてみても全く無音です。
NFBのON/OFFができるスイッチも取り付けました。

KC4B1449.jpg

 前回、といってももう20年近く前になるんですが、300Bシングルのアンプを作って数年鳴らしていた事があります。当時出回り始めた中国製の茶色ベースの300Bで、それでもすごく音が良かったんですが、フィラメントが切れてしまったんで使うのをやめたまんま解体してしまいました。最初は6SJ7→300B→タンゴU808で組んでいい音を出す事が出来ずに、その次は6SN7直結2段→300B、最後は6SN7→6L6GC→300Bで落ち着いたんですが。
でも当時は結局ハムノイズを聞こえないレベルまで消す事が出来ずに、遠くで微かにジージー鳴りっぱなしなのを我慢して聴いていました。直熱管はこんなもんなんかもな?と諦めてたんですが。
当時の僕の配線はアース母線で、電源回路はデカップリング回路まで全部電源トランスの近くに小さくまとめてありました。今から考えると素人仕事、ハムが出て当然です。

300bschematic.jpg

 最終の回路はこんな感じになりました。50年60年前からオーディオ好きはこの音を聴いていた、そういう全く古典的でシンプルな”普通の回路”です。300Bの方はもっと古く、80年も前に映画館のPAアンプ用に設計されたものです。
音は、先代の6L6GCのAB級プッシュプルの音と比べると、スピーカーの前で音を遮っている膜を1枚剥がしたような鮮明でクリアな音です。同じレコードでも今までは聞こえてこなかった音に気づいたりもします。6L6のように歪みで問答無用にリッチ感を足してくる感じはありません。こんなに高音まで締まった音が出るアンプを真空管で作れたのは初めてかも知れません。低音はあまり押しが強くない感じですがタイトで、ブヨつく感じは無くて、20cmのスピーカーでもベースのさらに下の方の地響きのような所まで鳴らすので、大音量だと家が鳴って隣の部屋がちょっと迷惑する感じです。NFBはあっても無くてもさほど音は変わらないんですが、切った方が微妙に音場の前後幅が広がる気がします。

KC4B1451.jpg

 手元に、ちょうど故障修理依頼でうちに来ている6L6シングルアンプ(エレキットTU897)があるので音を聴き比べてみました。エレキット6L6もかなりいい音がするんですが、低音の地響き部分は無くて、中音から上がぎらっとリッチで派手な感じです。でもそれにかき消されて音どうしの隙間が埋まって細かい所が見えないような感じです。
 目をつぶったときの”生っぽさ”では断然300Bです。でもニュートラルにレコードの空気感をそのまま出してくる感じがするので、『これこんなに音良くなかったっけ?』って思うレコードもあります。リマスター盤のあとで足したリバーブがすごく邪魔に聞こえたりとか。

 とりあえずこのアンプはひとまず完成、このまましばらくこれで音楽聴きます。作りたてのアンプなんで音が定まり所に落ち着いてくるまでは数ヶ月はかかるでしょうし。
posted by dico at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月09日

300B PPアンプを作る(第4回)

KC4B1406.JPG

 300Bppアンプが組み上がってきて、回路の修正と調整をやってます。モノラルx2台なので1台だけ先行して作っています。最終回路はだいぶ最初の設計から変わりました。

300bpp_3.jpg

 最初の設計のままで組んで鳴らしてみたんですが、良い音してました。でも特性を計ってみると、NFB無しで10000Hzからじわじわ下がっていく感じで、高域が伸びていませんでした。
 これは三極管が構造上入力容量が大きいためで、元々高インピーダンスな真空管のグリッド回路に最初からコンデンサーがぶら下がっているようなものですから、6L6とかのような5極管にくらべると低インピーダンス駆動してやらないと高域が切れてしまいます。
この”良く言えば柔らかい音”を何とかするために、古くから諸処の先輩方はパワー管を前段に使ったりカソードフォロワドライブ回路にしたりしていたわけなのですが、でも今更音もじっくり聴かずに作り直しは嫌なので6SN7でやれる事をやってみようとの事で、6SN7の負荷抵抗をめいいっぱいまで小さくして電流を喰わせてみました。これでドライブ段の出力インピーダンスは下げられますがゲインも少なくなります。この回路の場合20kよりも小さくするとパワー管の300Bよりも先に6SN7がクリップしてしまいますので、その辺りで決めました。
 この辺は実機を稼働させて波形を見ながら抵抗をとっかえひっかえでやりました。
 あとは最初の設計では2段目のゲインの計算が間違っていて、ミュラード型回路は入力電圧が2管に直列に分け合う形でかかるので、ゲインを通常の半分で計算しなければいけないのを飛ばしていたために、全体のゲインとNFBの計算が間違ってました。
 この修正は、もう実機があるのでめんどくさいので計算はせずに、NFB回路はアンプのゲインが−6db(半分)になるようにVRを入れて決めました。

KC4B1407.JPG

 ミュラード型位相反転のPPバランスは、逆相側のプレート負荷22k、正相側が19kでだいたいのバランスが取れました。

 各部の電圧は実測値です。最大出力は約16.5w、NFBは約6dB、残留ハム(ノイズ)は入力接地で約0.6mvでした。周波数特性は、オシロで見る限りはNFBをかけて40〜30000Hzぐらいがフラットです。歪み率は計器がないので分かりませんが、波形もきれいですし、その他のデータからするとそんなに悪くない(はずです。)2段目の6SN7が微妙に300Bよりも先にクリップしています。

 でもまあうちで自分用に使うには十二分すぎる音がしていますので、早急に2台目も組み上げてしばらくはこの回路で鳴らしてみる事にします。

KC4B1406.JPG

posted by dico at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月13日

300B PPアンプを作る(第3回)

 設計したアンプのゲイン設定の確認とNFB回路の検討です。

300bkairo2.jpg

300Bはこの回路のような普通の電圧ドライブでは振り切れないという事は物の本には良く書いてあります。製作例や製品の回路は、ドライブ回路にパワー管が使ってあったり、トランスドライブだったりする事が多いです。
 でもウエスタンエレクトリックのWE91Bでは、WE310Aという5極管で出力が結構ハイインピーダンスな普通の電圧ドライブの回路になっていますので、その事はひとまず気にせずに音を聴いてみる事にします。

300bpow.jpg

300Bのロードラインから、最大出力を計算します。
出力は最大振幅電圧x最大電流ですから、ロードラインの下側の三角形の面積ということになります。計算上は17.8wで、これから出力トランスでの損失分が差し引かれます。
NFBの計算のために16Ω端子での最大出力時の電圧も算出しておきます。2球合成での最大振幅電圧を、5KΩ:16Ωトランスの巻線比で割って、交流ですからその1/√2が出力電圧となります。

6sj7gain.jpg
初段6SJ7のゲインは約16倍、これはロードラインを読み取るだけで出ます。プレート振幅電圧をグリッド振幅電圧で割った値がゲインです。実際にはNFB回路分の120Ωがアースへバイパスされない分若干ゲインが落ちます。


6sn7gain.jpg
 2段目6SN7のゲインは約14倍、初段のゲインと掛けて入力の224倍の電圧が片側の300Bのグリッドにかかります。バイアスが-70vですから、これをめいいっぱい振るには入力で波高値0.31v、AC約0.21vとなります。

 NFBはとりあえずは6dbかけて聴いてみます。初段の回路では、NFBの戻し点の120Ωのカソード側は入力と同電位となりますので、ここに入力電圧0.21vの半分、0.105vが逆相で戻れば良い事になります。
16Ω端子からのNFB抵抗の値は、16.8/0.105 x 120/2=9600がおおよその値となり、10KΩとする事にします。上の回路図中の9.1Kは間違いです。

posted by dico at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。