2014年06月09日

300B PPアンプを作る(第1回)

 僕の部屋で長らく使っていたパワーアンプ、作ってから15年ほども使ってたんですが、先日友達のJAZZ DJのあべちゃんのたっての希望で譲ってしまったので、今うちの部屋のアンプがまともなのがないんです。
 それで、新しいアンプを作ろうと。手持ちのタンゴの出力トランス(FW50−5)を使って300Bのプッシュプルアンプを作ります。


KC4B1321.JPG


 とりあえず電源トランスとチョークトランスを買いそろえて、シャーシを鉄工所で曲げてもらった所で、回路はどうしようかとあれこれ考えていたんですが、とにかく手持ちの球でまずたたき台としてオーソドックスなのを鳴らしてみようという事で今日は回路設計をしました。

 20代の頃に、当時出回り始めた中国製の300Bでいろいろやってた頃の球が今も残っているので、その中から6SN7と6SJ7を各1本づつ使って,なんとか300Bをドライブするアンプを組もうという感じです。
 最初は、キャノン送り出し用のバランスラインドライバーICのSSM2142で位相反転して、2段目を6V6で300Bを振って、半導体風味も加えてやればロックもタイトに聴けるか?とか考えていたんですが。でもそういう冒険は次回の後回しにして、とりあえずオーソドックスに鳴らしてみようという事で設計してまいました。
 6SN7と6SJ7を使ってどうやってラインレベルの1vぐらいの音声信号を300Bが必要とする約120vまで増幅するか?ってことなんですが、いわゆる”ムラード型”とよばれている回路の設計に初挑戦しました。プッシュプルアンプはアルテックアンプのPK分割や、PG帰還の反転ゼロゲインアンプで位相反転する”オートバランス型”の回路は作った事があったんですが。
 ”ムラード型”というのは名前の由来は知らないんですが、初段増幅に直結で差動アンプの位相反転をつなげた回路で、真空管アンプの製作例ではごくオーソドックスな回路形式です。

 まずは300Bの出力段からかかります。

300b_roadline.jpg

 300Bの規格表からA級プッシュプルの動作例を元に、特性図の上で動作線(ロードライン)を引いてみます。この線から各部分の電圧電流がきまり、回路の中の抵抗値を大まかに割り出す事ができます。購入したトランスが350v−0−350vのもので、整流管は5AR4でいこうと思ってるので、だいたい400v前後は出そうだという事で、電源供給が400v、バイアスが自己バイアスの70vでそれを差し引いて330vと見当をつけてロードラインを引きます。バイアスの−70vはウエスタンエレクトリックの規格表のA級PPの動作例から見当をつけました。
ロードラインが引けたらあとは、オームの法則と電卓で各部分の抵抗の値を算出できます。コンデンサーの値は、とりあえず可聴帯域を切らないように見当で決めます。

300Bout_schem.jpg

 だいたいこんな感じです。こんな事をやったのは前世紀以来です。でも今はネットとコンピューターがあるんで随分と楽です。以前は規格表からコピーで拡大して手書きでやってました。

 次は”ムラード型”回路の設計です。回路の形はもう昔から決まっているのでその通りとして、そこへ6SJ7と6SN7を当てはめて、各部分の部品の値を決める作業です。初段を5極管6SJ7の3結、2段目の位相反転が6SN7です。
初段と2段目が直結でコンデンサーがないので、初段の6SJ7のプレート電位が2段目のカソード電位よりも2段目のバイアス分低くなるようにして、直結でも2段目のバイアスが適正になるようにします。

 300Bdrive_schem.jpg

結果はこんな感じ、実際はいろいろとずれが生じるので,この通りびしっと動くわけではないですが、あとは実機を組んでから調整します。
 回路設計の本とにらめっこしながら、この回路定数を導きだすために引いた6SJ7、6SN7のロードラインです。

6SN7_roadline.jpg

6SJ7_schem.jpg

次はこの回路に所定の電圧を送り込むための電源の設計です。
posted by dico at 03:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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