2012年10月30日

PVS MX2の修理 (第3回)

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第3回、今日はヘッドフォンに出ているハムノイズを退治する作業をしました。これまでの作業で電源のコンデンサー交換と、電源まわりの配線取り回しのやり直しで、”ヴ〜〜”音がヘッドフォンに鳴りっぱなしなのはましにはなったんですが、まだ小さくですが鳴っています。やっぱり少しでもハムが鳴っているのって何だか愛してもらえないような気がするので、何とか退治したいです。

 ヘッドフォンまわりの回路を追ってみると、オペアンプの後にコンプリのダーリントン接続のトランジスター4石のバッファーになっていて、ベースバイアスはダイオードではなく抵抗で取られているような結構ラフな設計の回路です。そのトランジスターの出力バッファー回路だけ、電源の安定化前から取られています。ということはおそらく電源回路の安定化前が状態が悪いということのようです。

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 コンデンサーは新品に交換したので、後はトランスかダイオードです。トランスは、2時側AC波形をオシロで見てみるかぎり、きれいなので、おそらくダイオードが劣化しています。安定化前の電源をオシロで見てみます。
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 0.5v/divレンジなので、2vほどもリップルが出ています。ダイオードもほぼ死んでいます。1N4004が付いていて、見た目は何ともありませんが、ヒューズが飛ばないので、”死にかけ”なのでしょう。交換すると、ヘッドフォンの”ヴ〜〜〜”は聴こえなくなりました。
 あと、気になったのが、レベルメーターがどうも出音の感じの割に上がらない、狂ってるんじゃないか?って感じを、試しならしの時に感じてたんで、サイン波を入れてミリバルで測りながら校正作業をしました。
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 AUXにサイン波1Khz入力で、出力を1VにAUXチャンネルのフェーダーで設定してみると、メーターはほぼ0dbを示しています。0db/1vですから、メーター表示は狂っていません。
 よく見ると、このメーターは2dbきざみのリニアスケールです。今はLog スケールが当たり前ですから、メーターの感じが違うはずです。リニアスケールだと、Logスケール表示に比べて0db付近の狭い範囲を表示していることになりますので、感覚的にメーターが”上がらない”感じがするのは当たり前です。
 たいていのレベルメーターは、-64db,-48db,-32db,-24db,-18db,-12db,-6db,-3db,
0db,+3db,+6db,+12db、
というように、電気的にはLogカーブ(それが聴感的にはリニアな音量変化)で無音から大爆音までを均等にカバーした表示をするのですが、このレベルメーターは、-16db,-14db,-12db、、、というように電気的にリニアに表示するので、-16db~+6dbまでの狭い範囲しか表示していません。ですから、このメーターは虫眼鏡で0db付近を拡大している、と思っていれば良いでしょう。

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それにしてもこのミキサーは、決して音は良くなく、僕の耳にはLO-FIと言ってもいい感じの音質なのですが、すごく魅力的な音がします。HIは一番上は切れてしまってる感じでシャープに出ないし、ミドルはギラギラ、Loは、重低音は出ずに、エレベぐらいから、100Hzぐらいから鳴ってる感じで、要するにナローレンジな音がします。でもすごく耳に近いところで鳴ってくる。ライブ盤とか、古い録音の盤をすごく魅力的に鳴らしてくれます。反面、21世紀の電子音源デジタルな音は、ローエンドとハイエンドが切れてしまうので全然だめになります。
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 これが、目をつぶるとまるで客席に座ってるような臨場感で鳴っています。このCDは、僕の音質試しの物差しにしてる音源のひとつなんですが。
 決して音は良くないんですが、微妙にチューブ式プリアンプに寄ったような古っちい空気感を発する、”逆ドンシャリ”な、ローファイで腰高な明るい音がします。今の機材に比べて、歌とかホーンとかギターとかが前に位置して鳴ります。かける盤を選ぶ機材だと思います。(うちのセットでは)盤によってはUREI1620よりもずっと魅力的に鳴ります。ちょっとこれ欲しくなりました。でもこれは相当運がよくなければ手に入らないと思いますが。
 今はエレキギターのポットで良いとされている、CTS製のビンテージポットのキャラクターなんじゃないかな?って思います。あとは、CR類やオペアンプの設計が古くて元々の性能が悪いっていうところから出てくる音色だと思います。EQ基板には、”トロピカルフィッシュ”コンデンサーも乗ってるし。”トロピカルフィッシュ”は、ビンテージワウペダルのトーンの肝になると言われてる、レアなコンデンサーです。
 マスタリングで、デジタルレコーディングの寒さとトゲを取るのに使えるかも?って思いました。ただ、けっこうノイジーな機材で、ホワイトノイズ(サ〜〜)がかなりあります。でもこれを押さえるような対策をすると、多分音の鳴り位置が遠くへ後退してしまいます。



 


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2012年10月27日

PVS MX2 の修理(第2回)

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昨日の続きです。
次にUrei 1620にかからないといけないので、これは先にやっつけてしまおうということで、詰めてやってます。フォノ入力が、2チャンネルとも、ハム(ヴ〜〜〜ンというAC電源由来のノイズ)を拾ってしまっているのを、何とかするのと、CDとフォノのチャンネルのゲイン合わせです。

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 前回は交換した電源部分のコンデンサーです。これだけで、機材全体が何となくノイズっぽかったのが大分ましになりました。
 フォノのハムノイズは、元々この機械の電源とアースの配線方法が悪いのと、全体的な経年劣化が重なってるのだと思うんですが、予算の関係もあって、劣化部品の全交換は出来ませんので、フォノイコライザーとAUXプリアンプまわりの電源とアースの配線をやり直す(ちゃんとする)ことにします。プレーヤーの出力はとびっきり電圧が低いので、ノイズとの背丈の差がないので、しかもこの機材はシャーシを音楽信号が流れますので、シャーシに電源からのノイズが漏れている全然だめです。

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 電源は、こんな感じではだかのメッキ線が基板を伝って行っています。ポットはすべてCTS製で、音はいいらしいですが回し心地は最悪です。
プリアンプ基板はそこ板のほうに付いていて、フォノイコライザーx6、ラインバッファーx10、マイクアンプx3がひとつの基板に乗っています。その電源はひとまとめに写真の空中配線の途中から取られています。
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 プリアンプ基板上で、フォノEQアンプとその他を分けて、途中の適当な場所からではなく、ちゃんと電源基板から電源を送ることにします。アースも基板の銅箔を削って分けます。あとは、シャーシへのアースポイントが、フォノEQアンプのアースと電源基板付近の2カ所で取られているという有り得ないことになっているので、シャーシアースはフォノアンプ付近の1点アースとします。

 
  次は、フォノとAUXチャンネルのゲイン合わせです。この機材は、CD以前の古い設計なので、AUX(ライン入力)チャンネルは信号レベル0.7v/rmsぐらいの設定になっていますが、今のCDJとかは平気で2v以上出てますから、フォノチャンネルとかなりな音量差が出てしまって使いにくいことになります。今風なゲイン設定に直すということですが、この機材は特にフォノEQの出力が小さいようです。試してみたところ、フォノEQの出力を2.5倍ぐらいにしてやれば良さそうです。
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 基板の裏で抵抗を追加してゲインアップしています。青いのはオペアンプの電源のパスコンを追加したものです。オペアンプの電源は1Cごとにパスコンをつけるのは常識なんですが、この機材には一切付いていません。

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 基板裏は銅箔むき出しで、手仕事でハンダづけしたまんまのヤニだらけです。製品でこんなのは初めてみました。
でもこの機材、音は悪くないです。
EQは3バンドですが、上げると締まりがないので、カット側で使うのが良さそうです。

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 フォノ入力のハム問題は見事に直りました。曲感のヴ〜〜音は、ボリューム最大でも聴こえなくなりました。アナログのレベルも、CDより心持ち低いかな?ぐらいになりました。

 この状態でこれが鳴っています。
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あとは、ヘッドフォンアンプがまだハム音を発しているのを退治して、壊れたラインセレクタースイッチを交換して、フォノ入力のRCAジャックを絶縁型のものに交換すればとりあえず完成です。もう一晩の作業になりそうです。


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2012年10月26日

PVS MX2 の修理

 いま、もう1台別の方から、DJミキサーの修理が来ています。
PVS MX2という機材で。アメリカ製、1975〜80ぐらいの製品と思います。ネットで調べてもほとんど情報は出てきません。
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ロータリーフェーダーのミキサーで、機能はUREiやボザックとほぼ同じです。鳴らないことはないんですが,各部が不調です。
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 ヘッドフォンアンプに大きなハムが出ています。あとはセレクタースイッチ破損、フォノチャンネルのレベルが低い、フォノチャンネルはアースしてもターンテーブルからのハム拾っています。

中を開けて見ました。
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豪快で雑な配線。基板は銅むき出しのままで、配線にコネクター類は一切使ってありません。基板の裏からもじゃもじゃと電線が出ています。シールド線も一切なし。
 でも、こういうのって、配線や工作の見た目ばっかりしっかりしてある日本製品よりも、案外音は良かったりもします。

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 部品や作りからして相当古い。すべて手仕事で組み立てられています。オペアンプはほとんどLF353が使われています。基板のハンダ付けもハンダ槽ではない感じです。生産数は相当少ない機材かもしれない。
一目で、測定とか以前に電源のコンデンサーは交換です。ヘッドフォンアンプも不調なので、出力部のコンデンサーは交換しました。
 これだけで、ヘッドフォンのハムは半分ぐらいまで減りました。でも、ターンテーブルがハムをまだ拾っています。曲間にかすかに”ブ〜〜〜”と鳴っています。CDだとノイズはないので、フォノイコライザーのコンデンサーと、アースのとり回しの検討でしょうね。この機械は、アースは入力も出力もシャーシーづたいですから、フォノチャンネルがハムを拾う不調は出やすいです。普通は、入力回路のアースは,シャーシではなくて、アンプ回路の初段電源のデカップリングへ戻すか、せめてアンプ基板へ戻すんですが、この機材はフォノ入寮端子もシャーシ直止メです。

 つづく、、

 
 





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2012年10月25日

十三夜

 仕事が最近好調で、忙しいったらありゃしないんですが。昔から、仕事中はラジオがお友達です。僕の音楽との関わりも、最初はラジオからです。小さい頃に、電気部品の色かたちの虜になったことが始まりで、必然的に”ラジオ”作りに挑戦することになるのですが、、、道ばたに捨ててあった真空管テレビの裏側を覗いた時にそこに未来都市を見てしまい、ゴミから真空管を抜き取ってきてはそれがなんなのかも分からずに収集してたのが小学1年生の頃です。

 時は流れて、3年前に、10年もシンセサイザー弾いてたSOFTというバンドをやめたんです。やめた理由のひとつは、上の子が就職のために専門学校に行かなくちゃならなくなって、数百万のマネーが必要だったのです。浜松にあるYAMAHA の楽器リペアの専門学校なんですが、息子は中学高校と吹奏楽部でサックス吹いてたんで、そっちに行きたいと、、、。で、今は奈良の楽器屋さんで、管楽器リペアマンの修行しつつ学校の吹奏楽部まわりの営業やってます。一人暮らしで、どうも極貧生活のようですが。

 SOFTは、僕が加入した当時はメジャーレーベルと契約していたような、日本中まわってライブしてるバンドで、あっとこっちのダンス系イベントや野外レイブなんかでライブしてました。それで、ツアーの時は、本業のほうは、忙しいふりして仕事は断って(仕事してるふりして)ツアー行ってたんですが、いよいよ子たちが巣立ちでカネがいる局面になってきて、それと、元々ギター弾きなんで、『ギターひきてえな〜』ってのもあって、SOFTのほうは断念したわけです。今でも、プロ時代のCDの印税収入が年に数百円あります。

 てなわけで、今は自営の仕事も頑張ってて、看板屋なんですが。仕事中は、昔からFMラジオをずっとかけっ放しです。仕事しながらCDとかかけると、ついリピートで聞き続けてしまって、好きなはずの音楽が飽きて嫌いになってしまうのです。BGMとしては、関西ではFMココロ(アースホールステーション)が、オッサンには一番耳障りじゃない感じなので、っていうか、他の局でかかってる今はやりのアメリカの音や、Jpopがあまりにレベル低くて聞いてらんないし、FM●●とかは露骨にS学会の宣伝してたりするから、かなり気色悪いし。

 でも、FMの”ヘビーローテーション”ってのは1日ラジオ聞いてるような環境だと、結構耳に厳しいものがあるのです。僕の場合、ヘビーローテーションは例外なく嫌いになってしまいます。だいたいどこの局でも、月代わりで1時間に1回ぐらい、おんなじ曲がかかります。それが1ヶ月ですから、誰でも嫌いになると思います。ラジオって、商売の仕方を根本的に間違ってると思います。
 今月のFMココロ(アースホールステーション)のヘビーローテーションは、鈴木某(シャネルズ?)の”十三夜”という曲が、1時間に一回ぐらい1日に10回以上流れています。これが歌詞を良く聞いてみると、どうも、じいちゃんが、先立った愛妻の十三回忌の法事の夜に(坊主が帰ったあと宴に酔いながら?)、月を見上げて思い出にふけっている歌のようなのです。僕の誤解なのかもしれませんが。

 元々が、FMココロ自体が団塊じじい目当ての商売、そんな曲もまあ、ありといえばありなんだろうけど、、、でもなんか聞き手に媚びた、”アーティスト稼業”な音楽。音楽やってても、カタカナで”アーティスト”と呼ばれるようにだけは絶対なりたくないですよね。

 でも、そんな歌詞の歌を1日に十何回も延々一ヶ月かけ続ける神経ってどうかしてるって思う今日この頃です。
posted by dico at 04:33| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月24日

Urei 1620 2台目

Juzu a.k.a Moochy くんのUREI 1620が修理でうちに来ています。

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 故障ではないのですが、後ろの入出力のRCA端子が、ぐらぐらになっていて、古いのでメッキがすり切れてしまってさびが出てきています。UREI1620は、入力のRCA端子の間隔が3mmぐらいしかなくて、今のオーディオ用のケーブルなんかはほとんどプラグ部分が太すぎて使えません。
 しかもこのマシンは、RCA端子が基板直付けなので、ぐらぐらしていることは、ハンダがもげかけていることを意味します。人に例えるなら、今のところ健康だけど心臓に爆弾を抱えているような状態です。

昨日今日と、状態を確かめるために鳴らしてみていたんですが、昨日は、JAZZとか、何となく機械に似合いそうなのを聞いてたんですが、ハウスやディスコっぽいのとかは持ってないんですが、マイルス、ズートシムズ、ローランドカーク、マルウォルドロン、キースジャレット、、、みたいな感じ。

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 今日は、およそこのマシンが奏でる可能性の低いのを、鳴らしてました。
”DJ MoochyのUREI1620とドープリアルで聞く小室等と岡林信康”  ってのもなかなかオツなもの??
それよりUREI を6L6GCPPのチューブアンプとダイアトーンP610で聞くってのもなかなかない組み合わせ。

ベッドではトラがぐっすり寝ています。トラはアナログかけると横で寝ていることが多いです。

 しかし、僕のカメラはデジカメのくせに、なんでこんなレトロな画質なんでしょうか?カメラと言っても今は使ってない古いGショック携帯なんですが。



 
ラベル:UREI 1620
posted by dico at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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